ども、しばやかわです。
ブロードバンド時代が到来し、そしてパソコンやスマホの普及した現代。就活や転職の際に一度は利用するであろうものが就活支援サイト。大学の就職活動では必須なツールの一つで、就職説明会の予約から、企業の検索、履歴書・エントリーシートの添削から提出、合否判定の通知などなどあらゆることが行えます。
その就活支援サイトの最大手のひとつであるリクルートキャリアが、就活生の内定辞退率の予測データを作成・販売し、実際にトヨタ自動車とホンダが購入していたとのことです。
内定辞退率(個人情報)の販売の仕組みとは
採用企業がもつ①前年の辞退者リストと②今年の選考している就活生のリストをリクナビに提供し、リクナビがもつシステム(AI)で②と①の類似性を見つけ内定辞退率を5段階評価したデータを作成したものとのこと。
就活支援サイトは登録するとマイページが作成され、あらゆる機能が使えるようになります。この中で、就活生は必ずと言っていいほど、応募したい企業のリストを作成し、効率よく企業を巡回したり選定します。
この時に、A子さんのログイン情報や作成したリスト、そして各企業ページへのクリック率などによって注目している企業をリクナビは予測できることでしょう。
内定辞退予測の材料例
A子さんを例に具体的に考えてみましょう…
A子さんに●●社の内定が出たとします。

リクナビのシステム(AI)は、こういった就活生の就活情報を総合判断し5段階の評価をつけていることでしょう。
販売価格は
その価格なんと1年で400万円~500万円!!
※企業規模や選考人数の規模によって価格の設定を変えていることでしょう。
採用企業のメリット
大企業になると複数の就活支援サイトの広告費をはじめとし、全国の就職説明会にブースを構え職員を送り込んだり、講演会をおこなったり、実際に採用面接を進めるうえでホールを借りたり等々出費は絶えません。もし、せっかく採用した人材が入社前に辞退されたらそこまでに費やした費用がパーになってしまいます!
何千人の就活生を数十名ほどのスタッフでさばき、数百名の新入社員を入社後に定着までフォローをする。そしてまた時期の就活シーズンが始まる…。事務職はじめ人事は楽そうだなっと思っていたら大間違いです。
就活シーズン中は、営業職と同様に昨年対比を常に問われます。
・応募者総数
・ブース来場者数
・採用数
・辞退者数

私は、超大手企業の人事部の隣の島で仕事をしていたことありました。
労働人口が減っている日本で、売り手市場(就活生優位)が続く今、人事部の責務は大きくなってきています。
実際に採用後も、就活生に定期的な連絡をとって何気ない会話や相談にのるなど、内定後のケアも行っているんですよ!?
内定辞退率を販売する問題点とは
今回は、トヨタ自動車とホンダともに合否の判定には使っていないとしましたが間違いなく使っていたでしょうね。私が考える問題点は、①個人情報の売買と②就活生の本意は置き去りに、不採用判定に与える影響です。
Facebook社の個人情報の漏洩や売買の問題と同様です。例え登録時の規約の奥底に書いてあるから問題ないと主張しても相手は学生です。より分かりやすいところに明文化する必要があると考えます。
まぁ「本サイトに登録した利用者様の情報は商用目的に2次転用することがございます」なんて書かれてたら使いませんけどね!!
就活生の本意はAIでもわかりません。あくまで可能性が高いということまでです。就活生の中には、就活でいろんな企業を見て勉強するだとかその時の出会いを楽しみに継続する学生も多々います。
『トヨタが本命の学生が、ライバル企業のホンダを業界の勉強のために受験していた(登録していた)ことがきっかけで、トヨタはその学生を不採用にしました。』なんてことが起こりかねません。
あとがき
リクナビそして採用企業にとってはとてもスマートでメリットのあることだったかもしれません。
しかし、日本の就職活動にとって、新卒というカードは一度しか使えない最強のカードです。今後の人生に多大な影響を与えるライフイベントで、リクナビが行ったマッチング行為は、就活生の本意を置き去りにした最低の行いだと考えます。

昨今では幼稚園受験から始まって大卒まで20年努力し続けている子供たちもたくさんいることでしょう。その努力が無駄にならない就活ができる社会であり続けることを祈ります。
リクナビさんも本件を受けてさらに良い就活支援サイトとなることを応援しています。
ではまた次の記事でお会いしましょう。CHAO!!